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介護施設が実施すべき感染症対策

施設が行っている対策は?

介護施設が取り組むべき感染症対策を紹介します。徹底した感染症対策を継続的に行い、利用者の健康を守っていかなければなりません。

施設が行っている対策は?

基本的なポイント

感染症を完全に防ぐことはできない点を念頭に置いた上で対策していきます。特に、免疫力が弱まっている高齢者が集団で生活を送る介護施設では感染拡大のリスクが高くなります。そのため、まずは利用者の健康管理を徹底し、少しでも異常があった際は即座に対応できる体制を整えましょう。
施設内の環境や職員の仕事環境にも目を向け、3密の回避や定期的な清掃、消毒、換気、感染症発生時の空間の区分け(ゾーニング)などを行います。職員の中で体調不良者が発生した場合は、受診を推奨し状況に応じて休暇を取得できるような体制を構築しなければなりません。

具体的な内容

上述のポイントを押さえた上で、まずは標準予防対策(スタンダード・プリコーション)を実施します。基本的な対策を実施し、感染経路ごとに予防策を講じましょう。元々は病院で行われる感染予防策ですが、近年は介護施設でも用いられるようになりました。マスクの着用や手洗い、清掃、消毒の徹底、状態の異常が見られる高齢者に対する適切なケアを実施します。
感染症対策をそれぞれが徹底するためには、感染症予防に関する指針やマニュアルを事前に示さなければなりません。マニュアルを活用し、日常的なケアの場面における実施手順を明確にします。感染症に関する基本的な考えを基に、管理体制や感染症発生時の対応などをまとめます。
また、職員に対する研修も実施します。感染者に対する差別や偏見を取り除き、正しい知識を用いながら対策できるように教育します。感染拡大につながる不適切な行動の抑制にも効果が見込めます。感染症が流行している時期には、実際に発生した場合を想定した演習を行い、研修内容の実効性を確認し、定着を図ります。
施設内の衛生状態を保つことも忘れてはいけません。日頃からこまめに清掃し、整理整頓を心がけましょう。体液や嘔吐物、排せつ物が付着しやすい場所は特に丁寧に清掃します。空気中のウイルスや細菌を減らすために定期的に換気し、人の出入りを管理する必要もあります。こういった施設内の衛生管理は感染症対策として非常に有効ですが、一方で工数が多く職員への負担が大きいといったデメリットもあります。そのため、近年は感染症対策を促進する清掃ソリューションやAI機器などを導入する介護施設も増えてきました。
参考までに、内閣官房が発行している「介護現場における 感染対策の手引き」を以下に紹介します。こちらにも具体的な感染症対策の内容が記されているので、事前に目を通しておきましょう。

「介護現場における 感染対策の手引き」